着物ドレスの椿屋です。こんにちは。
今日は夏に開催予定のコラボレーションイベントのご案内です。
まだ少し先ですが、8月19日(土)に東京都西多摩郡瑞穂町にあります「耕心館」にて、コラボレーションコンサートを行います。
バイオリニストの北門郁子さんとの、念願のコラボレーションです。
ピアニストは仁上亜希子さん。
椿屋はお二人の衣装を作ります。
1階の展示室にて椿屋展示会も同時開催予定なので、詳細はまた追ってご紹介したいと思います。
北門郁子ちゃんとの出逢いは小学校3年生のとき。
お互い出逢った土地からはその後引っ越し、SNSがなければ再会は難しかったかもしれません。
ドイツ在住の彼女(以下:いくちゃん)がネットで和風のコンサート衣装を探していて、偶然私のホームページを見つけてくれたのがきっかけとなりました。
SNSで交流再開後、いくちゃんがコンサートで日本に帰国した際に、東京で再会しました。
コラボレーションが出来たらいいねと話したのが2015年の夏、そこから2年後となる今年の夏にいよいよ実現します。
いくちゃんは2016年12月からドイツ・トリーア市立歌劇場管弦楽団の副コンサートマスター(契約団員)をしています。
ちょうどこのコンサートのタイトルなどをやり取りしているタイミングでこの報告があり、大興奮しました。
素晴らしい経歴を持つ彼女ですが、持って生まれた才能ももちろんのこと、たゆまぬ努力の上に今の活躍があるのであろうことを思うと、彼女のステージをより良く見せるドレスとは・・・色々考えては調べ、調べては描き、考察・創作いっぱいの楽しい制作です。
コンサート用に作るドレスは、彼女たちの好みや希望も訊きながらデザインを考えていくわけですが、会場となるホールは古い歴史のあるところなので、演奏する曲の背景や時代など、そんなことも意識したものが作れたらと考えています。
バイオリン・ピアノのこと、演奏される曲の作られた背景、耕心館の歴史、素材とする着物の作られた時代背景・・・
さまざまな視点から「文化」を意識することが、私自身の内なるテーマとなりそうです。
着る人の個性、背景や興味のあるもの、当日の会場を念入りにリサーチしていくウェディングドレスの制作と重なる部分も多いです。
制作を依頼されたら、気になることはとにかく何でも調べる、調べる、調べる・・・
そうすると、色々とアイデアが湧いてきます。
テーマは「音を纏う」。
年末に内容についてあれこれとやり取りした中でいくちゃんが思いついてくれました。
着物のしなやかさを生かしたドレスを作れたらと思っている私の気持ちにもぴたりと添う表現です。
このコンサートが決まってから、日常で流れてくる音楽の中にバイオリンの音があると際立って聴こえるようになりました。
知らないことを調べていくのは楽しいですし、つくづく世の中は知らないことばかりだと思い知らされます。
意識すると見えてくるもの(聴こえてくるもの)があることも面白いです。
コンサート会場となる耕心館2階のホールは、かつて養蚕業が営まれていたこともあったという空間です。
原型は江戸時代末期の築造という、いわばスーパー古民家です。
「守られた伝統、繋ぐ文化、生まれる芸術、ここから。 心を耕すことが大切と『耕心館』と命名され」たそうです。
とても素敵で共感を覚えました。
打ち合わせで一度だけお邪魔しましたが、大変雰囲気のあるところでした。
ステージの背面は大きなガラス張りで、勢いよく茂った8月の緑の中でのコンサートになるのだろうなあと想像しています。
開始は夕刻なので、どんな雰囲気になるのだろう・・・
次の打ち合わせの際に伺ってきたいと思っています。
このコンサートのことは、また進展がありましたらお知らせいたします。
それではまた。